時々、風に踊る葉っぱと出会います。
風がその葉っぱに力を加えると、
葉っぱはまるで自分で振動を起こしているかのように揺れます。
これは「自励振動」という現象で、
葉っぱ自らが振動を始めるのです。
友人が言っていた言葉が、今でも心に残っています。
「見えない小人が葉っぱに乗って遊んでいるみたい」
その言葉を聞いてから、
葉っぱに振り飛ばされそうになっている小人を
想像するようになり、
なんだかとても楽しくなってしまいます。
2025年04月26日
2025年04月25日
オオタニワタリの新芽
オオタニワタリの新芽が顔を出していました。
まるで小さな円陣を組んで、
みんなで内側を向いているみたい。
お話しているような、そんな可愛らしい姿です。
毎年、この新芽を見るのを楽しみにしています。
葉っぱはおちょこ型に伸び、
その中心には落ち葉がたくさん積もっています。
この落ち葉を集めることで、
オオタニワタリは自分の栄養を確保しているそう。
自然って、こうやって賢く生きているんだなぁと
改めて感じます。
オオタニワタリは谷間で他の木や岩に
身を寄せるようにして育っています。
その姿が、まるで谷を渡ろうとしているように見えるから、
オオタニワタリという名前がついたそうです。
成長した葉っぱは、光に当たると、
胞子の影が美しく浮かび上がります。
その影の模様も、まるで自然のアートのようです。
【オオタニワタリ(大谷渡)】
学名:シダ植物門チャセンシダ科チャセンシダ属
分布:日本南部の暖地から台湾にかけて
2025年04月24日
ハンダマの花にやってくるアサギマダラ
庭のハンダマ(水前寺菜)の花に、
ふわりふわりと、アサギマダラが舞い降ります。
その翅は、まるで空気を透かすように軽やかで、
逆光に透ける様子は、まるでステンドグラス。
どうやらハンダマの花が好みのようで、よくやってきます。
人間にとってはあまり良い香りには感じないハンダマの花。
でも、アサギマダラにとってはご馳走のようです。
◎
アサギマダラは、「旅をするチョウ」として知られています。
日本で唯一、長距離の移動(渡り)をする蝶。
たとえば、山形県で確認された個体が屋久島で再捕獲されたり、
屋久島でマーキングされた個体が、台湾で再確認された例もあるのだそう。
その移動距離、なんと2000km以上。
小さな翅で、大きな空を超えていく命。
本当に、胸を打たれます。
命をつなぐ旅
アサギマダラの旅は、春と秋に繰り返される“命のリレー”。
◎秋(南下)
秋になると、本州から日本の南の地域、そして台湾などへと向かう個体たちが姿を見せます。
旅の途中、11月ごろには交尾をして、幼虫の食草に卵を産みつけ、
自らはその命を終えます。
卵からふ化した幼虫は、冬の寒さの中で越冬し、
春になると蛹になり、羽化して、今度は北へと旅を始めます。
◎春〜夏(北上)
北上する個体は、涼しい本州の高原地帯などを目指し、
6月ごろ産卵し、その生涯を終えます。
その子どもたちは夏に羽化し、8月下旬頃から、また南へ向かって飛び立ちます。
こうしてアサギマダラは、世代交代しながら、
北と南を行き来する壮大な旅を繰り返しているのです。
花とチョウの深い関係
オスのアサギマダラには、とっておきの目的があります。
彼らはヒヨドリバナ、アザミ、セイタカアワダチソウ、スナビキソウ、ビワの花など、
特定の植物の蜜を好みます。
これらの花には「ピロリジジン・アルカロイド」と呼ばれる成分が含まれていて、
オスはそれを体内に取り入れることで、メスを惹きつけるためのフェロモンを作るのです。
恋を叶える香りを求めて飛び続けるなんて、
まるで空を舞う恋の旅人ですね。
ハンダマの花には、オスもメスもやってきます。
後翅の下側に黒い斑紋があるのがオスです。
もし出会えたら、ちょっと観察してみてくださいね。
小さな羽で、遠くを目指して旅を続けるアサギマダラ。
その姿に、たくさんの勇気と美しさを感じます。
今日もまた、庭のハンダマに、命が舞い降りてきます。
2025年04月23日
のびのび全力疾走する猫たち
久しぶりの裏庭散歩。
私が歩き出すと、猫たちも「待ってました」とばかりについてきます。
柔らかな陽ざしの中で、
それぞれが自由に木に登り、草の中をかけまわり、
気がつけば追いかけっこの大運動会。
そのスピードとしなやかな動きに目が追いつかず、
写真も動画も追い越されてばかり。
家の中では見せない、野性と喜びが入り混じった姿に、
「裸の人間と猫だったら、猫の方がきっと強い」
そんなことを思って、ふふっと笑ってしまいました。
それでも彼らは、
鋭い爪をしまったまま、そっと私に触れてくれます。
人間を信じ、寄り添ってくれるやさしい手。
小さな身体に、限りない自由と、あたたかさを宿した猫たち。
大切な存在だと、あらためて感じた午後でした🐾
2025年04月22日
ツバメの乱舞
ツバメの群れが、正午ごろ青空の下で自由に舞っていました。
すごい数に圧倒されます。
自由に飛びながら、どこかでちゃんと調和していて、
空に描かれる命のリズム!
あの動きには、ちゃんとした理由があるようです。
◎
ツバメは、空中で虫を捕まえて食べる「空中ハンター」。
お昼頃になると、陽の光で地面があたたまり、気温も上がって、
羽虫(ハエ・蚊・ユスリカなど)がたくさん飛びはじめるそう。
それを狙って、ツバメたちは一斉に舞いはじめるんだとか。
私には虫の姿は見えなかったけど、
ツバメたちの目には、ちゃんと見えていたのかも。
あるいは、虫だけじゃなくて──
求愛のサイン? 巣作りの合図?
空を舞う彼らの姿に、春のエネルギーを感じました。